大鰐町出資の第三セクターが運営する「大鰐温泉スキー場」の経営難問題が、一層泥沼化している。スキー場の2エリアをめぐり、町の方針が▽高原エリアのみ存続▽国際エリアのみ存続▽2エリア同時存続――と次々に変化。

19日に開かれた町議会9月定例会本会議では、町が2エリア存続を前提とした07年度一般会計補正予算案を提出したが、スキー場関連支出を削除する町議側の修正動議が賛成多数で可決され、スキーシーズン入りを目前にして今季の営業に必要な予算を支出できない事態に陥っている。

町は従来、スキー場のうち収益力がある一般向け「高原エリア」を存続させる方針だった。しかし、議会の多数派が、低コストで運営可能な上級者向け「国際エリア」の単独営業を主張していたため、町も今年7月に「国際エリア」存続へと方針転換。9月定例会の直前になって、町は「国際エリア単独より赤字額が圧縮可能」として、突然、2エリア存続へと方針転換した。

19日の本会議で、町は三セク向け運転資金貸付金やスキー場電気代などスキー場関連支出約8500万円を盛り込んだ補正予算案を提出したが、議会側は町の方針転換を拒否した。

町議会は今年3月定例会でも、一般会計当初予算案からスキー場関連支出を削除する修正動議を可決した。その後、町と議会が話し合いを続けてきたが、今回の補正予算案をめぐって、スキー場問題は再び振り出しに戻った格好となった。

二川原和男町長は報道陣に「スキー場全体での営業断念は(町、三セク、3金融機関が97年、債務返済策で合意した)五社協定に確実に違反する。一括返済を請求されれば町は財政再建団体に転落する。また国際エリア単独営業では三セク社員10人中9人が退職の意思を示しており、スキー場存続は困難だ」と訴えた。
(毎日新聞)