【長野県】慢性的な赤字経営が続き存廃問題が持ち上がっていた松本市直営の信州松本野麦峠スキー場(同市奈川)が、昨年度の赤字幅を経営目標とされていた8千万円以下の7010万円に抑えた。同市は昨シーズンを「見極めの年」として経営目標を定め、スキー場の管理運営方法を見直したが、地域住民の協力などで経費削減が進み一応の成果が出た形。市は今シーズンさらに経営を合理化して収支を改善し、来シーズンからは指定管理者制度を導入したい考えだ。

昨年度の野麦峠スキー場の観光施設事業収入は前年度比15・1%増の8818万円、逆に観光施設事業費は前年度比13・7%減の1億3522万円となり経営が改善。スキー場建設の際の債務返済額などを加味した昨年度赤字幅は、前年度と比べ約4200万円圧縮された。

昨年度利用者数は目標とされた4万4千人には届かなかったものの、雪質に恵まれスノーマシンによるゲレンデ造りがうまくいったことなどから、4年ぶりに4万人を上回る4万1262人となった。

利用客の増加や、リフトの優待券、招待券の整理などでリフト券売り上げが伸び、事業収入を押し上げた。また地域住民などのボランティアが、リフト乗り場の管理業務や簡単な施設工事を手伝ったことなどで人件費が圧縮。使用頻度の低いリフトを使用せず電気代、人件費を削減したことなども功を奏し、事業費の大幅削減につながった。

市は本年度さらに経営改善を進めて事業収入、事業費をともに1億1千万円程度にし、ランニングコストをゼロに近づけたい考え。さらに来年度からの指定管理者制度への移行を目指し、市議会12月定例会に関連条例案を提出したい考えだ。

市奈川支所の担当者は、「スキー場存続への見通しは甘くはないが、頑張るしかない。今後も地元の方の協力が鍵を握るだろう」と話した。
(中日新聞)