ソチってどこ?

国際オリンピック委員会(IOC)は4日(日本時間5日)、グアテマラ市で開いた総会で、3都市が立候補した2014年冬季五輪の開催地にソチ(ロシア)を選んだ。冬季スポーツではなじみの薄い土地だけに、競技関係者は困惑気味。ロケーション、交通手段、食事面など分からないことだらけと秘密のベールに包まれ、不安視する声が相次いだ。

IOC総会で歓喜に沸くソチ五輪誘致委員会のメンバーとは裏腹に、日本の競技関係者の反応は冷ややかだった。テニスのシャラポワが育ったリゾート地という触れ込みだが、ほとんどが場所すら分からない。特に自然環境に左右されるスキー競技関係者からは困惑の声が相次いだ。

リレハンメル五輪複合金メダリストで全日本スキー連盟(SAJ)の阿部雅司コーチはロシアにいい思い出がない。87年、レニングラード(現サンクトペテルブルグ)でのW杯に参加したが、食事が合わず体調を崩した。「当時はソ連の時代で今とは違うが、日本人が珍しいのか市民に指をさされた」と苦笑いする。

情報不足からくる不安もある。ロシアは国際スキー連盟の国際大会開催の実績が少ない。過去10年でW杯は距離3戦、スノーボード7戦のわずか10戦。ジャンプ、複合、アルペンに至ってはゼロだ。長野五輪ジャンプ金メダリストの原田雅彦・雪印コーチは「なかなか行き来できないので情報が入りにくそう」と不安視する。SAJの児玉修・アルペンヘッドコーチも「行ったことがないので何とも…。ブルガリアやチェコならあるが、同じ東欧圏でもだいぶ違うと思う」と推測さえできない状況だ。

逆にスケートの関係者はそれほど神経質になっていない。同じ東欧圏での開催となった84年サラエボ五輪スピードスケート銀メダリストの北沢欣浩氏は「大会運営はまったく気にならなかった。室内リンクでしょうから競技自体も問題ない。国を挙げて強化するでしょうからまた日本のライバルが増えますが」と言う。

ただ、開催は7年後と時間はある。SAJの林辰男フリースタイル部長は「プレ大会もあるだろうから五輪前の数年間で課題をクリアすれば問題がないと思う」と今後情報収集をしていく構えだ。

◆ソチ(ロシア) スターリンら旧ソ連の共産党幹部が別荘などを建設し、プーチン大統領も休暇に訪れる黒海沿岸のリゾート。02年冬季五輪の開催地選定では1次選考で落選したが、今回は大統領が全面支援。黒海沿岸にスケート、海岸線に近い山岳部にスキー、ソリ系競技の会場を整備する。
(日刊スポーツ)