◇不安業界素地あらわ
スキーシーズンが終わりに近づき、県内のスキー場も営業を終えようとしている。今季は暖冬の影響で雪不足が続き、満足に営業ができなかったスキー場がある一方、雪を確保した標高の高いスキー場は、例年の利用客数を大幅に上回った。スキー離れが進む中、今回の雪不足はどのような影響を与えたのか。県内のスキー場事情を探った。

☆雪不足で営業40日
「今シーズンは営業ができないのではないかと不安だったよ」。標高1100〜1400メートルにある「飯綱高原スキー場」(長野市)の支配人だった中島秋文さん(48)はため息交じりに振り返る。

同スキー場の営業期間は昨シーズンは12月下旬〜3月下旬だったが、雪不足で営業開始は元日にまでずれ込んだ。2月中旬にはゲレンデで至るところで土が見え始めたため、やむなくリフトを停止。全面営業はたったの40日間だった。今季の利用者数は昨季の半数となる3万2310人。中島さんは「2月に営業を終了したのは、65年の開業以来初めて」と話す。

☆早い桜の開花宣言の影響も
客層を家族連れに絞る運営方針で「勝ち組」とされる「佐久スキーガーデンパラダ」(佐久市)も例外ではない。スノーマシンが暖冬の影響で十分に使えず、全面営業は年明け。首都圏からの利用者が多い同スキー場は、平年より早い桜の開花にも大きな影響を受けたという。3年連続で利用客数10%増となっているが、担当者は「雪不足で出だしが遅れた上、シーズン終盤は花見に客を奪われた」と話す。

☆雪確保で利用客数が大幅増
一方、雪を確保できた標高の高いスキー場は利用者数を大幅に増加させた。その一つが、財政危機を回避するために王滝村が民営化した「おんたけスキー場」(王滝村)だ。ゲレンデが標高1370〜2240メートルにあることから同スキー場は雪不足に悩まされることなく、予定通り06年12月9日から営業を開始。利用者数は昨季より3割ほど増えたという。他にも「戸隠スキー場」(長野市)の利用者が昨季より1万5000人増となるなど、雪を求めて標高の高いスキー場に集中する結果となった。

☆記録的な少雪
長野地方気象台では「この冬は記録的な暖冬」と発表。エルニーニョ現象などの影響で、冬型の気圧配置が一時的になったという。白馬や野沢温泉など北部山沿いでは統計開始以来(1981年)最も少ない最深積雪を記録。降雪量(06年12月〜2月)は▽長野67センチ(平年の28%)▽野沢温泉529センチ(同52%)▽白馬292センチ(同56%)。同気象台は「昨年は大雪で今年は少雪と、平年とかけ離れた現象が多くなっている」と分析する。

長野経済研究所(長野市)の飯塚徹・主任研究員は「スキー場経営の難しさを改めて浮き彫りにした結果になった」と指摘。「今回の雪不足は供給過剰にある県内スキー場の再編を加速させるきっかけになるのではないか」と話した。
(毎日新聞)