1日、北陸地方に寒気が流れ込み、金沢市では33日ぶりに積雪を記録し、同日夕方までに最深2センチを観測した。しかし、今冬は除雪中の事故などによる死者約150人を含め、日本海側に甚大な被害をもたらした「平成18年豪雪」から一転、各地で暖冬傾向が続き、北陸地方では記録的な少雪となっている。金沢市では、1月としては観測開始以来初めて積雪、降雪ゼロを記録。雪不足によりスキー大会などの行事が中止や変更に追い込まれるなど、関係者は頭を抱えている。

金沢地方気象台によると、同市の1月の最深積雪、降雪の平年値はそれぞれ42センチと109センチ。金沢市で1月の降雪ゼロだった年は、現在と基準は違うがデータが残っている1886年以降例がなく、積雪ゼロは1890年以降初めてだという。福井地方気象台によると、福井市でも降雪3センチ(平年値138センチ)は、1月としては観測開始以来最少となった。富山地方気象台によると、富山市は降雪、積雪ともに5センチ(平年値=降雪178センチ・積雪55センチ)で、観測史上、1972年に次いで2番目の少なさ。

金沢市の医王山スキー場は、今冬一度も営業できていない。富山市などで2日から始まる全国高校総体スキー大会の会場では、地元高校生や教員も協力してバケツリレーで約1週間かけて周辺の雪を運び、開催直前にようやくジャンプ台のコースを作り上げた。同県高体連関係者は「2年前から準備をしていたので、何とか開催にこぎつけたかった」と胸をなでおろす。

一方、金沢市の観光名所「兼六園」の管理事務所には、冬になると観光客などから積雪の有無を問う電話があるというが、こちらは1日数件と例年並み。担当者は「雪は無ければ無いできれいなのですが、『雪吊(つ)り』は冬の風物詩ですからね」と苦笑いしている。

富山大の川村隆一教授(気象学)は暖冬と少雪の原因について「(太平洋中東部の赤道付近で海面水温が上昇する)エルニーニョ現象の影響が大きいが、それだけでは説明できない。北極寒気の南下も弱く、熱帯と高緯度地域双方の要因が複合して起きているのではないか」と指摘する。
(毎日新聞)