会津地方を中心に豪雪被害に見舞われた昨年とは一転、今冬は暖冬が続いている。暖冬による雪不足は、冬物商品の売り上げを鈍らせるばかりか、酒造りにも悪影響を与える。関係者は恨めしそうに空を見上げるばかりだ。

*エルニーニョ影響*
福島地方気象台によると、エルニーニョ現象の影響で寒気の南下が例年より少なく、気温が下がりにくくなっているという。福島市の1月の平均気温は2・7度で、例年より1・3度、寒さが厳しかった昨年より2度高い。降雪日数は、昨年同期に比べ半数以下の20日間となっている。今後も暖冬傾向は続くとみられる。

*酒造りに打撃も*
日本酒は低温でゆっくり発酵すると良い香りを醸し出す。しかし、県商工労働部が運営する「ハイテクプラザ会津若松技術支援センター」の鈴木賢二主任研究員は「今冬は気温が高いため酒が発酵し過ぎる傾向が顕著」と指摘。鈴木主任研究員によると、高温だと風味が雑になるため、発酵用のタンクの回りに氷水を張る酒蔵もあるという。

*雪が恋しい*
デパートやスーパーでは滑り止め付きの長靴や雪かき用のスコップがほとんど売れていない。福島市太田町のイトーヨーカドー福島店の阪本進太郎副店長は「例年設ける雪用品の特設コーナーを、今年は1回も設けていない」とあきらめ顔だ。

ホームセンター「ダイユーエイト」本部(福島市太平寺)によると、中通り全域で除雪機具の売り上げは昨年の半分ほどだという。柳沼忠広商品部長は「まとまった雪が降ってほしい」と話していた。

*スキー場に暗雲*
北塩原村の桧原湖は、例年全面氷結してワカサギ釣りでにぎわう。裏磐梯ビジターセンターの伊藤延広センター長は「湖の中央部分は結氷しておらず、人出も減少しているのではないか」と推測している。

春スキーへの影響を懸念する声も上がっている。二本松市の「あだたら高原スキー場」は例年に比べ積雪量が4、50センチ少ない。総支配人の門馬治夫さん(52)は「今は滑降に問題ないが、このまま雪が降らないと、春スキーのシーズンまで持たない」と心配している。
(毎日新聞)