暦の上では、20日は1年間で最も寒さが厳しくなる「大寒」。だが、この冬は平年より暖かい日が続き、東京の初雪は平年(1月2日)より2週間以上遅れている。日本に限らず世界各地でも気温が高い。各地の「暖冬」の状況は?

気象庁によると18日、東京都内で梅の開花が確認された。平年より11日早い。同庁天気相談所は「昨年から気温が高めなので開花が早まったのでは」と話している。

昨年12月1日から今月17日までの平均気温は全国的に平年より1度前後高い。主要都市では札幌市氷点下0.9度(平年比プラス1度)、東京都心8.7度(同1.1度)、名古屋市6.9度(同0.9度)、大阪市8.5度(同0.9度)、福岡市8.8度(同0.8度)。このまま推移すれば、1946年以降の統計史上で、冬季としては10位前後の高温となる。

12月以降、降水量は多く、東京都心は平年の3.3倍だった。一方、気温が高いため降雪量は少なく、東日本の日本海側で平年比11%、西日本の日本海側で29%にとどまっている。

暖冬傾向は世界各地で見られる。気象庁の発表では、昨年12月の世界の平均気温(速報値)は、1891年以降の統計史上最高となった。世界気象機関(WMO)は先月、昨年は観測記録の残る1861年以来6番目に暖かい年だったと発表した。昨年11月末までの観測記録に基づく推定値で、特に北半球は過去30年の平均気温14.6度より0.58度高く、観測史上4番目の暖かさになるという。

世界的な暖冬の背景にあるのが、太平洋中東部の赤道付近で海面水温が上昇するエルニーニョ現象だ。この影響で冬になっても気温が高く、日本周辺でも低気圧がたびたび発生する。また、北極周辺の偏西風の蛇行が少なく、寒気の南下が弱いため、ますます気温が下がりにくくなっている。 

●ロシア 「130年ぶりの暖冬」といわれるロシア。モスクワでは昨年12月以降、日中気温はプラス続き。今月11日には8.6度となり、11月に降った雪が消えた。例年、釣りファンが氷結した湖上に繰り出すが、13日にはモスクワの北約300キロのヤロスラブリ州の湖で氷が解けて遭難した約200人が救助された。死者も数人出た。

19日はロシア正教の「洗礼祭」の日。河川の氷をくり抜いた清めの場所で寒水につかる儀式が風物詩だが、モスクワ総主教管区は「今年は儀式なしで構わない。信者が凍えることもない」。

●スイス アルプス地方には年間8000万人のスキーヤーが訪れるが、いまだにオープンできないスキー場も珍しくない。「標高3000メートル以上のゲレンデは大丈夫だが、それ以下は雪が足りない」(スイス観光協会)という。

各地で開かれるスキーの国際大会にも大きな影響が出ている。雪不足や直前の大雨で中止となったり、開催地変更となる例が多く、スイス西部レザンで25、26日に予定されていたスノーボードのワールドカップも中止が決まった。

●米国 ニューヨークは17日朝の気温が氷点下7度まで下がってこの冬一番の冷え込みとなり、ようやく本格的な冬到来を感じさせたが、それまでは記録ずくめの暖冬が続いた。昨年来雪が降らず、1878年の1月4日を約130年ぶりに更新した。

特に6日にはセントラルパークの気温が22.2度まで上昇し、初夏のような暖かさに。1月の気温としては1950年の最高記録に並んだ。降雪観測は10日。それもわずか15分ほどで、地表に落ちると、すぐに消えた。

●中国 28日から冬季アジア大会が開かれる中国東北部の吉林省。スキー競技の会場となる吉林市の北大湖スキー場も雪不足で、昨年11月中旬から人工造雪に取り組んでいる。

地元紙「ハルビン日報」(電子版)などによると、小型のロケット弾で上空の雪雲を刺激して降雪を増やすロケット弾式人工降雪機や、地上設置型の造雪機などを使い、これまでに約16万立方メートルの雪を造った。
(毎日新聞)