【岐阜県】スキー場のひしめく飛騨地方。相次ぐスキー場の営業休止や利用者数の低迷が、スキー場関係者だけでなく、観光関係業者をも悩ませている。昨シーズン、高山市の4市営スキー場の利用者数は、5年前と比べてほぼ横ばいか、ひどいところは約44%減。民間もほとんどが減少傾向にある中、離れた利用者を呼び戻し、新しい層を開拓する試みが動き始めている。

「狙いは団塊の世代です」と言い切るのは、高山市高根町のチャオ御岳スノーリゾート総務部営業課の清水秀敏担当課長。昨年の利用者10万6000人のうち、3・8%を、50歳以上のシニア世代が占めた。前シーズン比、2ポイント増。全体に占める割合はまだ小さいが、確実に増えている。

「少子化や若者のスキー離れは止められない。でも、若いころにスキーに親しんだ団塊の世代が今後、仕事で忙しい時期を終えてスキー場に回帰してくるはずです」と期待を込める。

シニアがスキー場に戻りやすい環境をつくろうと、4年前から通常4500円の1日リフト券を、50歳以上のシニア向けに2000円で販売。今シーズンは、新たに「シニアパック」と銘打って、リフト、レンタルウエア、レンタルスキー(スノーボード)のセット券(6000円)の発売も始めた。

一方、アジア人観光客をターゲットに、同市丹生川町にスノーモービル場を始めようとしているのは、同町の殿下平開発組合(山下智広組合長)。

これまで、雪が降らない国からの観光客は、スキー場のターゲットからはずれていた。短時間の滞在で、スキーやスノーボードを楽しめるレベルに達するのは難しいからだ。しかし、スノーモービルは違う。指導員がつけば初心者でもすぐに乗れるようになるため、雪になじみのない観光客でも手っ取り早く、白銀の世界を満喫できる。

料金は1時間6000円で、スノーモービル15台を用意。旅行代理店主催の企画旅行に組み込み、当面は予約制で営業する。すでにシンガポールや台湾、香港から団体予約が入っており、雪が積もり次第、営業を開始する。山下組合長は「初年度は赤字覚悟。今まで視野に入れていなかった層だからこそ、伸びしろがある。周辺の観光施設や宿泊施設への誘客を図りたい」。将来性に懸けるつもりだ。
(中日新聞)