西武ホールディングスが7日、青森、秋田両県の4施設を含むプリンスホテル系12施設を米金融大手シティグループの系列会社に一括売却することを明らかにした。売却対象施設がある観光関係者らは、営業の継続に一様に安堵(あんど)の表情を浮かべた。一方で、売却の候補に上げられながら、今回のリストに含まれなかった施設もあり、地元では先行きに対する不安の声も上がった。

「営業、雇用の継続を要請していたので安心した」。青森県観光企画課の小笠原裕課長は胸をなで下ろした。鯵ケ沢町の鯵ケ沢プリンスホテル、鯵ケ沢スキー場、鯵ケ沢高原ゴルフ場の3施設が売却対象に含まれ、従業員計約170人の雇用も守られることになった。

中でも年間十数万人が訪れる鯵ケ沢スキー場は、韓国や台湾からの長期滞在者も目立つ冬の津軽観光の拠点。鯵ケ沢町観光協会の伊東清隆会長は「日本海を見下ろす絶景のロケーションにあり、利用者増が期待できる。運営会社は変わっても、鯵ケ沢の名前は残してほしい」と注文した。

同じく売却が決まった阿仁スキー場(北秋田市)では7日、今シーズンの安全祈願祭が行われた。高橋浩康支配人は「40人の従業員の雇用は守られると聞いており、今期の営業を精いっぱい頑張りたい」と気持ちを引き締めた。

一方で、同じ北秋田市内の森吉スキー場は売却リストから漏れた。今季の営業休止が決まっており、ふもとでコンビニを経営する男性は「売り上げ減少は必至だ」と危機感を募らせる。岸部陞市長は「完全に廃止ではないという話を聞いているので、望みを捨てずにいたい」と語った。

同じくプリンスホテル運営の千畑スキー場(美郷町)、田沢湖プリンスホテル(仙北市)については、今後も売却先を探すという。

岸部陞・北秋田市長は「阿仁スキー場だけでも譲渡先が決定し、ほっとしている。森吉スキー場はこの後も譲渡先を検討していくという方針で、まだ望みがあると期待している」とのコメントを出した。

金ケ崎ゴルフコース(岩手県金ケ崎町)も、売却対象に入らなかった。高橋由一・金ケ崎町長は「町にとって大事な観光交流資源。推移を見守るしかなく不安だが、早い時期にめどを立て、来春には新体制でスタートしてほしい」と気が気でない様子で話した。

群馬県の表万座スキー場(嬬恋村)ついては、同村の松本先(はじめ)村長は「詳しい話は聞いていないが、従業員とファンのため、今後も変わらずに営業してもらえると期待している」と感想を語った。

松本村長は今春、西武HD担当者から同スキー場の譲渡の可能性を聞いており「驚いてはいない。静かに見守っている」と述べた。