滋賀県米原市の奥伊吹スキー場で1月、スノーボード客に衝突されて親子が死傷した事故で、重過失致死傷罪に問われた津市羽所町、会社員坂野賢被告(30)の判決が9日、大津地裁長浜支部であった。徳地淳裁判官は「無謀な滑走行為で過失は重大」として、禁固2年、執行猶予4年(求刑禁固2年)を言い渡した。

判決によると、坂野被告は1月21日、スノーボード中に岐阜県関ケ原町、団体職員藤田耕司さん(40)と長男一輝君=当時(7つ)=に衝突した。一輝君は死亡し、藤田さんは軽傷を負った。

徳地裁判官は「7歳という年齢で命を奪われた一輝君の無念さは計り知れない」と指摘した。判決後、藤田さんは「人を殺すような滑走はしないでほしい」と訴えた。

「家族の悲しみを思うと、実刑も考えたが、一生かけて償うという法廷で見せた態度を信じて刑の執行を猶予しました。これまで以上に誠実に対応してください」。米原市の「奥伊吹スキー場」で起きたスノーボードによる衝突事故で、大津地裁長浜支部の徳地淳裁判官は9日、重過失致死傷罪で禁固2年、執行猶予4年(求刑・禁固2年)の有罪判決を言い渡した後、被告に呼び掛けた。

事故は今年1月21日午後1時50分ごろに発生。スキーで並んで歩いていた岐阜県関ケ原町の団体職員、藤田耕司さん(40)と長男一輝君(当時7歳)に、津市の会社員、坂野賢被告(30)がスノーボードで衝突して、一輝君が死亡し、耕司さんも負傷した。

裁判を傍聴し続けた耕司さんは判決を聞いた瞬間目を伏せ、ぼう然とした表情で目頭を押さえた。閉廷後、「なんでやろ」という思いで、しばらく立ち上がることができなかった。「本当に心から反省しているのかどうか……結局、本人の口から1度も、きちんと聞くことができなかった」と感じている。

坂野被告は7月ごろまで毎週、耕司さん宅を訪れ、一輝君の遺影に手を合わせていた。しかし衝突で記憶を失っていることもあり、事故の原因や経緯について、坂野被告から話すことはなかった。判決公判でも開廷前後に、耕司さんらに頭を下げたものの、言葉はなかった。

耕司さんは「重過失という罪はこの程度なのか。事故のショックで体調を崩した妻や、幼い娘にどう伝えたらいいか分からない。悔しい」と声を詰まらせた。