昨年12月から今年3月まで、蔵王温泉スキー場(山形市)を訪れた韓国人スキー客が急増し、日本国内のスキー場としてはトップとみられることが、国際観光振興機構(JNTO、東京)ソウル事務所の1日までの調査で分かった。山形県ソウル事務所を中心にした売り込みのほか、韓国語案内をはじめとした受け入れ態勢の整備、ソウル便が就航する仙台空港からの直通バスの運行など一連の誘客策が奏功した形だ。

JNTOがスキー商品を扱う韓国の主要18社に対して行った調査によると、都道府県別の訪日韓国人スキー客数は長野がトップで2830人。2位が山形の2411人だった。以下、岩手(1894人)、北海道(1547人)、青森(1128人)と続く。

長野では複数のスキー場に分散しているのに対し、山形はほぼ蔵王1カ所に集中しているため、スキー場単独の訪問客数としては蔵王が国内トップとみられる。JNTOは前年シーズン(2004年12月―05年3月)、同様の調査は行っていないが、大手旅行社の扱い数などで山形県内への訪問数を約1400人と推計。これに基づくと約7割増という急伸ぶりだ。

スキーブームを背景に訪日韓国人スキー客数はここ数年、2000人、5000人、1万人と急増している。その中でも「ゲレンデの広さ、樹氷で蔵王は人気が高い」(JNTO)という。

蔵王温泉スキー場では05年3月、韓国人スキー客がゲレンデを外れ、一時遭難する騒ぎがあった。この反省から、韓国語をはじめ中国語、英語を表記した案内板を設置したほか、旅館やスキー場関係者を対象にした韓国語研修会を通じ、スキー場の国際化を進めた。

山形県ソウル事務所も蔵王の旅館と連携し、韓国で誘客キャンペーンを展開。県観光振興課の武田公治課長は「PRと受け入れがうまくかみ合った。ソウルからの定期便に合わせ、仙台空港から直通バスの運行が始まり、利便性が向上したのも大きい」と話す。県が旅行社にアンケートした結果、「週末の部屋に空きが少なかった。部屋を確保してくれれば、客はさらに増える」との要望もあったという。

スキー客がピーク時の160万人(1992年)から、60万人に激減している蔵王にとって、外国人スキー客は今後の営業戦略の柱になる可能性を秘める。蔵王温泉観光協会の伊東秀幸会長は「国際的なスキー場として、さらに飛躍したい」と話している。
(河北新報)