トリノ冬季五輪は18日で前半戦を終えた。全84種目中46種目を消化したが、日本勢はいまだにメダルに手が届いていない。「色に関係なく5個」という目標達成はおろか、1976年インスブルック大会(オーストリア)以来30年ぶりの「メダルゼロ」も、現実味を帯びてきた。

まず、事前の読みの甘さは否定できない。日本オリンピック委員会(JOC)は、ことあるごとに「アテネ五輪の勢いをつなげて好成績を」といい続けてきた。しかし、日本勢が史上最多の37個のメダルを獲得した同五輪からすでに2年もたっている。実施する競技も違う。アテネの残像に惑わされ、高すぎる目標を掲げてしまった。

外国勢の力を見抜けなかった分析能力の低さは情けない限りだ。ひとりの入賞者さえ出せなかったスノーボードハーフパイプ(HP)。米国勢は国内の賞金大会を優先するため、ワールドカップ(W杯)出場が少ないのは周知のこと。それでも、全日本スキー連盟の佐々木峻スノーボード部長は「米国勢より日本のほうが力を持っている」と、胸を張っていた。HP勢は選手村での生活態度の悪さが目に余ったという。弱い上にだらしないでは、強化費の無駄遣いのそしりは免れまい。

だが、もっと深刻なのは競技力そのものの低下だ。6大会続いていたメダルが途切れたスピードスケートの男子500メートルで、金メダル候補と騒がれた加藤条治(日本電産サンキョー)は弱冠21歳。惨敗したかつてのエース清水宏保(NEC)とは10歳も違う。世代交代がうまくできていない観もある。
(時事通信)