藤森由香新種目のスノーボードクロスで運にも恵まれ7位入賞した藤森由香(19)。ハタから見れば大健闘も本人は世界との差を痛感、「むかつく。すごく悔しい」と今風なビジュアルにして、負けず嫌いの顔を覗かせた。藤森は現役の専門学校生という変わり種。しかもこの学校、「日本初の本格的なスキー、スノーボードの学校」。冬季スポーツの“虎の穴”として、日本勢躍進の起爆剤として期待されそうだ。

藤森が通うのは、平成11年4月開校の「全日本ウィンタースポーツ専門学校」(新潟県妙高市)。藤森は長野市内でスノーボードショップを経営する父親の影響で小学校1年からスノーボードを始め、東海大三高(長野県茅野市)卒業を前にした昨年3月、米国のW杯に出場。世界の舞台を経験したのを転機に、同年4月、同校のスノーボード専攻科に進んだ。

「プロスノーボーダーやスキーヤーといったアスリート系から、専門店やスキー場のスタッフといったビジネス系まで、ウインタースポーツ業界にかかわる人材を幅広く育てることが目的。在校生は3学年で130−140人くらいで、学校の周囲にはスキー場も多く、環境も申し分ない」

同校事務局の小林正章さんは説明する。同校からは藤森とアルペンの2年生、関塚真美(20)の2人が初の五輪代表に選ばれている。また、アルペン男女回転に出場するチームアルビレックス新潟の皆川賢太郎(28)、吉岡大輔(26)、広井法代(29)は同校の非常勤講師を務める。

「特別に全国から優秀な選手を集めているわけではなく、さまざまなレベルの子が入ってくる。未経験者が3年間でプロになることもある」(同)といい、開校以来15人のプロボーダーを輩出している。

藤森や関塚ら世界を転戦し、個人的な負担も大きい学生は、年間百数十万円の授業料を免除されている。また、「学校の取り組みがウインタースポーツ業界に注目されつつあり、在学中からスポンサーを得るための下地はある」という同校の環境は選手には魅力だ。

同校としては、4年後のバンクーバー大会に五輪選手を送り出すことが当面の目標だったといい、今回の2人は想定外だったとか。近い将来、“虎の穴”がOB、OGを含めて大選手団を送り込むことになるかもしれない。
(夕刊フジ)