スノーボード 今井メロ、初五輪は2度転倒で終わる実は、「メロ」の本名で滑る最初で最後の五輪と決意していた。「オリンピックが終わったら(メロの)名前を変えます」。そう明かして挑んだトリノだった。

昨夏、指導法を巡り父・隆史さん(56)と対立。7月中旬には大阪市内の実家を離れ、東京に移った。だが、保護者の承諾なしでは遠征に参加できないなど競技に支障が生じたため、8月下旬に隆史さん主宰の「夢くらぶ」から独立。多美江さんの姓を名乗る許可を大阪家裁から得て、戸籍上の名字を「今井」に、登録名も「今井メロ」と変えて再出発した。

多美江さんの元に身を寄せながら練習し、用具メーカーとの交渉、メディア対応も1人でこなした。ストレスから体調を崩して入院したこともあった。だが「病院にいる間、何も考えないことで吹っ切れたと思う」と前向きにとらえた。

会場のバルドネッキアには前日予選敗退した男子HPの兄・童夢(20)=キスマーク=の姿もあった。果敢に難易度の高い技に挑戦して敗れた兄の涙に勇気をもらった。ゴタゴタの間も電子メールで連絡を取り合い、互いの演技をアドバイスし合った。「(成田の)名前が変わっても兄妹は兄妹」と童夢。メロも「けんかもするけど、それもあり。支え合っていく」と話す。

トリノの失敗は糧にする。帰国後に名前を変えるのは、過去を振り払い、新しい自分を手に入れるため。メロは「そんなに凝った名前じゃなくて、ありきたりの名前にしますね。教えて? 決まっているけど、まだ言いませんよ」と語った。まだ、18歳。4年後のバンクーバーに向けて、生まれ変わる

◆改名するには 居住地の家庭裁判所の許可を役所が受理するという手順だが、家裁は正当な理由なしには許可は出さない。改名なしには社会生活を営むことが困難であることを証明する必要があるため。名前の漢字と読み方が合わない、名前にふさわしくない(例・悪魔くん)、性同一性障害などの理由が必要。