男子ハーフパイプ、優勝を喜ぶホワイト(米国)=バルドネッキア 決勝2回目の滑走前に金メダルが決まると、ホワイトはスタート地点で大きくガッツポーズ。ビクトリーランは途中でバランスを崩したが、自身のDVDも発売しているプロらしい「魅せる」滑りで、最後まで観客の視線を離さなかった。

うわさ通り、いやそれ以上の滑りだった。予選1回目こそ手を着いて減点されたが、2回目で45.3点をマークすると、圧巻は決勝1回目。完成度の高いエア。多回転スピンの後もまったく乱れない着地。ダイナミックな演技で驚異的な46.8点をたたき出した。

「うわさ」というのは、米国のトップクラスのプロが、日本選手が海外の主戦場とするワールドカップ(W杯)に出場してこないからだ。ホワイトも普段は米国の賞金大会で稼ぎ、日本のエース国母が出場し、決勝に残れなかった1月の大会でも2種目制覇。初出場の五輪の舞台で、そのベールがはがされた。

会場には家族が駆け付け、歓喜を分かち合った。心臓の病気を患って生まれ、5歳までに2度の手術を受けた。健康を取り戻し、6歳でスノーボードの魅力に取り付かれると、父の指導で腕を磨いた。「家族全員で、素晴らしい時を迎えることができた。人生で最高の出来事だよ」。弱冠19歳は、感謝するように喜んだ。
(時事通信)