トリノ冬季五輪の日本選手団の目標メダル数は「色に関係なく5個」(遅塚研一団長)。だが、前回銀と銅の2個しか取れなかった日本が、倍以上に数を伸ばせるのか。海外メディアの予想は極めて厳しい。

米国の専門誌「スポーツ・イラストレーテッド」の全種目メダル予想で、日本選手はフィギュアスケート女子の荒川静香(プリンスホテル)とスピードスケート男子500メートルの加藤条治(日本電産サンキョー)の「銅2」だけ。AP通信はさらに厳しく、荒川の銅1個だけだ。

フィギュア女子で日本は元世界女王の荒川に加えて村主章枝(avex)、安藤美姫(愛知・中京大中京高)の3人を送り込んだ。だが、優勝候補には上がらず、同誌は優勝がコーエン(米国)、2位がスルツカヤ(ロシア)で、APは1、2位が逆になっている。

地元イタリアの記者たちの見方も「ロシア対米国の対決」。スポーツ紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のブオンジョバンニ・アンドレア記者は「金はスルツカヤ、銀はコーエン。経験を積んでいる村主が銅だろう」と見る。同男子の高橋大輔(関大)については「何度か見たが、メダルには全然届かない」。

それでも、スピードスケート男子500メートル世界記録保持者の加藤は高い評価を得る。今回が5度目の五輪取材となるオランダ紙「アルゲミン・ダグブラド」のレンツ・ロルケマ記者は「本当に強い。金メダルだと思う」と推し、アンドレア記者も「金は分からないが、メダルは取る」と予測する。だが、3大会連続メダルを狙う清水宏保(NEC)については「あの調子でメダルが取れると思うか? 無理だろう」(ロルケマ記者)。同女子500メートルの岡崎朋美(富士急)に「34歳とは思えない。素晴らしい選手だ」(同)と称賛の声があるが、他の名前は聞こえてこない。

その他の競技では、スキー・アルペン回転男子の佐々木明(ガーラ湯沢)と皆川賢太郎(アルビレックス新潟)が注目されている。イタリア紙「コリエレ・デラ・セラ」のフラービオ・バニッティ記者は「2人とも攻撃的な滑りで体もバネがある。佐々木はメダルは厳しいが、ひょっとしたら(優勝候補の)ジョルジョ・ロッカ(イタリア)に勝つかもしれない」と評価。イタリア・ANSA通信のプリーシ・ピエル・ロレンソ記者も「佐々木はメダルの可能性がある」と期待を寄せる。

しかし、それ以外の競技では日本選手を推す声はあまりない。有望種目とされるスノーボード・ハーフパイプ(HP)やフリースタイルスキー・モーグルにしても、米テレビNBCのジェフ・ヘイスティング記者は「日本選手のことは知らない」。関係者の間でHP男子の国母和宏(北海道・登別大谷高)の名前が上がるくらいだ。
(毎日新聞)