2001年10月に就航した秋田―ソウル定期便を利用し、スキーと温泉を目当てに秋田県を訪れる韓国人旅行者が急増している。1月の韓国人搭乗者は前年同期より約1000人増え2521人に上り、過去最多となった。ソウル便は利用低迷が続き、一時は運休も取りざたされたが、韓国からのスキー客にターゲットを絞った県の施策が効果を発揮し始めた形で、先行きに明るい兆しが差し始めた。

県によると、1月の韓国人搭乗者数は、イラク戦争や新型肺炎(SARS)の影響で海外旅行客が激減した03年(290人)を除き、02年は621人、04年1050人、05年1498人と、年々増加している。

搭乗者全体に占める韓国人の割合も増え、05年が53.0%、今年は66.9%に達している。雪質に定評のある仙北市の田沢湖スキー場で滑り、2泊3日の日程で周辺の温泉施設に滞在するケースが多い。男鹿市の温泉や岩手県の雫石スキー場まで足を運ぶグループもあるという。

ソウル便の韓国人搭乗者はこれまで全体の約2割にすぎず、利用低迷の要因だった。このため県は、04年から1月に韓国の旅行エージェントやスキー愛好家を招き、スキーと温泉をセットで楽しめる魅力を韓国国内でPRしてもらうなど、秋田の知名度アップに尽力してきた。

旅行関係者によると、秋田は東京や仙台と比べてソウルまでの飛行時間が短く、ツアー料金も割安。韓国では、旧正月休みと学生の冬休みが重なる1月に長期休暇を取る習慣があり、条件の良い秋田を旅行先に選ぶ傾向が強まっているという。

県秋田・韓国交流促進チームの竹村寧リーダーは「韓国人旅行者は、秋田の天然雪たっぷりの白銀と、野趣に富む温泉に魅力を感じているようだ」と手応えを感じている。

だが、観光客の増加傾向が定着したとは言い切れない。韓国・東西旅行社の秋田支援本部(秋田市)によると、韓国の旅行各社は1月、秋田ツアーの通常料金(2泊3日で約4万円)を最大で1万円前後値引きしたといい、この効果が一時的に表れた可能性もある。

同本部のキム・ギュジン本部長は「2、3月に秋田旅行を計画していた人が前倒しした可能性もある」とみている。

韓国人搭乗者の増加で1月の搭乗率は78.3%と2年5カ月ぶりに70%を超えたが、昨春は30―40%台と低迷し、運休の危機にさらされた。竹村リーダーは「韓国からのリピーターを定着させ、新たな観光地を開拓して利用拡大に努めたい」と気を引き締めている。
(河北新報)