メダル量産の期待がかかるスノーボード・ハーフパイプ(HP)の日本代表男女8人が7日、バルドネッキアの五輪会場で公式練習を開始した。今季W杯2勝を挙げている男子の国母和宏(17)=北海道・登別大谷高=は、初練習で早くも強敵の米国やフィンランド勢に存在感を見せつける貫録十分の試運転。ライバルたちも警戒心をあらわにした。17歳6か月の冬季五輪史上最年少メダリスト誕生へ、幸先いい滑りだ。

快晴の空に、国母のビッグエアが浮かび上がった。初の公式練習。「宿舎では寝るぐらいで、やることがなくて。しかも、同じ料理ばかりで飽きてました」4日夜に当地入りしてから蓄積していた17歳のエネルギーが、一気に放出された。

162センチ、54キロの小柄な体をフル回転。5歳でマスターしたマックツイスト(前方宙返り1回半ひねり)は封印したが、まずは大技エアのワンエイティー(横3回転)で存在感を見せつけた。パイプは昨年のW杯開催時から全長が約20メートル伸び、150メートルと大型になった。さらにリップ(溝)の深さも5・5メートルとなり、通常のコースより難度がアップ。違和感を口にする選手もいる中、国母は「変わっていないような感じ」と意に介さずだ。

涼しげな表情で試運転したニッポン期待の星を、敵国の金メダル候補たちも警戒心のまなざしで見つめた。W杯にはほとんど参戦せず賞金大会を主戦場にしてきた米国のショーン・ホワイトやメーソン・アギーレ、さらにFISポイント上位のアンティ・アウティ(フィンランド)も「コクボは強い」と口をそろえる。だが国母は「差はあまり感じられないですね」とさらりと受け流した。

五輪出発前に自慢の長髪をばっさり切り落とし、気合も十分だ。冬季五輪の最年少メダリストは、98年長野ショートトラックの西谷岳文の19歳1か月。その記録更新もかかるが「いつも通りにやりますよ」今季W杯2勝の勢いのまま、自然体で世界を制圧する。
(スポーツ報知)