今シーズン限りで休業が決まっている福島市内唯一のスキー場「あづまスキー場」(同市町庭坂)利用客が、年末年始で前年同期比3割増を記録し駆け込み的な人気が高まっている。地元の高湯温泉街は、市内の企業が長期的に経営を引き継ぐことを熱望するが、目立った動きは出ていない。

運営主体の吾妻観光開発(菅野光信社長)によると、今季の年末年始(12月23日〜1月10日)の利用客は計3567人。この冬は雪が多く昨季に比べ3日早くオープンし、1日リフト券の値段を下げたこともあるが、3割以上アップした。菅野社長は「最後に滑っておこうという客が少なからずいる」と言う。リフト乗り場で働く男性(73)は「客から『今年で終わりですか』と惜しむ声をよく聞く」と話す。市観光課にも継続を望む手紙が寄せられている。

同スキー場は1962年にオープンした県営スキー場が前身。市のシンボル吾妻小富士の山頂付近にあり、滑りながら市内を見渡せる眺望が魅力の一つ。三つのコースは標高1000メートル以上の高さにあり、パウダー状の雪質は上質。数年前までナイター営業を行っており、市中心部からツリー状に見えるライトアップも名物の一つだった。

90年代初めには年間8万人が訪れたが、近年は5分の1以下に減少。スキー人口の減少や、低価格のスキー場に客が流れたためとみられる。

地元温泉街ではNPO形式での運営も一時検討したが、断念。現在東京都内の不動産会社など数社が運営に関心を示しているが、菅野社長も地元企業への経営権譲渡を望んでおり微妙な情勢だ。

4日に同スキー場を訪れた同市上町の会社員、大内睦弘さん(44)は「手軽に来られるスキー場なだけに残念」と話していた。
(毎日新聞)