QUICPayカード(左)とQUICPayモバイル(右)。現在JCBでは、QUICPayカードを小型化し、キーホルダーのように使えるタイプ(左下)も開発中 写真:ITmedia現在日本で、おサイフケータイで利用できるクレジットカード決済サービスには、「QUICPay」「スマートプラス」「iD」の3つの方式がある。いずれも、非接触ICチップのFeliCaを利用している点、小額決済を想定している点などで共通している。このうち、JCBが推進するサービスが「QUICPay」だ。

クレジットカード10社、KDDI、ボーダフォンなどが集まり、携帯電話を利用した小額決済の推進や、クレジット市場の活性化を目指して2005年10月に発足した「モバイル決済推進協議会」では、各社の共通インフラとしてQUICPayの仕組みを想定している。現在QUICPayのサービスはJCBしか提供していないが、将来的にはほかのカードブランドでも対応する見込みだ。

QUICPayとはどのようなものなのか。ここではサービス内容の詳細をまとめた。

●JCBカードの“子カード”

QUICPayは現在、JCBのクレジットカードユーザーが、子カードとして持つものになっている。クレジットカードに“追加して”利用するもの、という位置づけだ。

カードタイプの「QUICPayカード」と、おサイフケータイで利用できる「QUICPayモバイル」の2種類がある。ユーザーは、カードか携帯電話のどちらかを選択して申し込むと、QUICPayのIDが発行される。1つのIDにつき、カードは1枚、携帯電話は1台となっているが、1人のユーザーが複数のIDを持つことが可能。つまり、QUICPayカードとモバイルの両方を持ったり、複数のおサイフケータイにQUICPayをインストールしたりして使うこともできる。本人名義のJCBカードを持つユーザーの家族がQUICPayを利用することも可能だ。

QUICPayは、JCBブランドではなく、イシュアー(カード発行会社)としてのJCBのサービスだ。このため現状でQUICPayを利用できるカードは、JCBあるいはJCBのFC(フランチャイズ)社※が発行しているJCBブランドのクレジットカードに限られる。また、トヨタファイナンスとオリエントコーポレーションもQUICPay対応を表明している。JCBブランドのクレジットカードであっても、イシュアーによってQUICPayは未対応の場合があるので注意が必要だ。

現在は、カード/モバイルともに、年会費と発行手数料※は無料。QUICPayの利用金額は、親カード(JCBカード)の利用金額に上乗せする形で請求される。

QUICPayを利用したい場合、JCBカードを持っていなければまずJCBカードを作り、そのあとでQUICPayのIDを発行申請する形になる。4月からはJCBの会員サイトを通じて、オンラインで申し込みが可能になるほか、JCBカードの申し込み時にチェック入れるだけで同時に申し込みができるようになる予定だ。

●盗難・紛失した場合のセキュリティは?

QUICPayモバイルが利用できる携帯電話は、ドコモとauのFeliCa端末(おサイフケータイ)全機種。ボーダフォン端末にも2月に対応する予定だ。

QUICPayは決済機能のみで、キャッシング機能は持っていない。また、1回の決済で利用できるのは2万円まで。それ以上の金額の決済や、キャッシングをしたい場合は、親カードを使うことになる。

カード・モバイルどちらも、リーダー/ライターにかざすだけで利用でき、サインや暗証番号の入力は不要。基本的にリーダー/ライターはオフラインで処理を行い、サーバへ問い合わせに行かないため、処理はスピーディだ。与信枠はFeliCaチップ内で管理しており、利用金額の合計が3万円を超えるごとに、決済時に自動的にリーダー/ライターが、サーバ/カード会社へ問い合わせを行う。利用限度枠は、親カードに準じる。

1回の決済の上限が2万円であることはQUICPayの共通ルールだが、オフラインで利用可能な累積利用可能額(与信枠)はカード発行会社が自由に定められる。そのため、今後JCB以外のクレジットカード発行会社からQUICPayサービスが提供された場合は、与信枠の更新タイミングは異なる可能性がある。

また、携帯電話を紛失するなどした場合、気になるのがセキュリティ機能だ。QUICPayではアプリ側でセキュリティをかける機能は持っていないため、端末のロック機能などを利用することになる。

暗証番号やサイン不要なQUICPayの仕組みでは、携帯を持ってさえいれば第三者がQUICPayを利用することも可能だが、紛失・盗難の届け出から60日前までさかのぼってJCBが保障することになっている。このあたりはクレジットカードの保障制度がそのまま適用されるので安心だ。

●使える場所は?

2006年1月末の時点で、QUICPayが利用可能な店舗数は約3000店。チェーンではロイヤルホスト、セイコーマート、なか卯、カラオケ館、ドラッグユタカなどで利用できる。また、神奈中ハイヤーも全台でQUICPayを導入している。スキー場への展開に力を入れており、北海道のニセコグラン・ヒラフやグランデコスノーリゾート、たんばらスキーパーク、タングラムスキーサーカスなど、東急リゾートサービス系のスキー場もQUICPayに対応、割引サービスを行っている。利用可能な店舗については、JCBのWebページで確認できる。

JCBでは、QUICPayの本格展開は2006年度以降という認識で、本格的に利用店舗が増えるのはこれからだ。iDと同じくQUICPayも、2008年までに利用可能店舗数を10万店まで拡大する目標としている。

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