約90年前、東海地方初のスキー場として高山市街地に誕生した同市新宮町のファミリー向けスキー場「原山スキー場」が、ここ数年なかったにぎわいだ。例年、暖冬で閑古鳥が鳴いていたが、今季は豊富な雪に恵まれ、年末から滑降が出来るなどで利用客増につながった。今月28日には市民待望のナイタースキー教室が始まる。

同スキー場は1920(大正9)年、市内で駅弁会社を営んでいた故垂井藤夫さん(享年63歳)が創業した。JR高山駅(当時国鉄)から3キロ。名古屋から夜行列車に乗って午前3時ごろ高山駅に着き、そのまま標高約700メートルのスキー場へ向かうスキーヤーの列が出来た。

当時はスキー場を「高山停車場原山待合室」と呼んだ。国鉄はスキー客に便宜を図るため、高山線の渚駅にあった工事現場の飯場を移して無料休憩所にし、職員2人が泊まり込んでいたという。

戦後の47年にはナイター設備が整った。東京の大学に通っていた長男の博美さん(69)が藤夫さんの後を継ぎ、63年にリフトを取り付けた。

60年代には三浦雄一郎さんら有名スキーヤーが訪れたり、高松宮杯などの大会が開かれたこともある。だが70年代に入ると各地に施設の整ったスキー場が誕生。暖冬の追い打ちもあり、年末年始に雪がなく、2月の節分のころからようやく滑降できる年もあった。

しかし、ファミリー向けのゲレンデだけに家族連れの人気に支えられてきた。シーズン中は近くの新宮小学校のスキー授業に使われるなど、利用客はシーズン中、1万8000人前後を維持してきた。今年は2万5000人の利用客を見込む。

ナイタースキー教室は高山市スキー協会主催で2月14日までの毎週火・土曜の午後7時から。問い合わせは高山スキー学校(0577・31・1027)。
1月27日朝刊
(毎日新聞)