スノーボード・W杯第4戦(10日、カナダ・ウィスラー)新星現る! 来年2月のトリノ冬季五輪代表を巡って激しい争いが続くスノーボード・女子ハーフパイプ(HP)で、中島志保(27)=ヨネックス=が40.7点で自身初優勝を飾り、同五輪代表内定を確実にした。すでに内定している今井メロ(18)、山岡聡子(31)に隠れていたが、昨季ワールドカップ(W杯)種目別6位。五輪開幕まで2カ月を切った時期に、“第3の女”が名乗りをあげた。日本女子が上位5位までを独占した。男子は国母和宏(17)=北海道・登別大谷高=が第3戦(スイス)に続いて連勝した。

表彰台だけでは足りない。日本勢が1位から5位までズラリと名前を並べた大混戦のなかで、中島が表彰台の真ん中に立った。五輪代表に内定している今井、山岡が予選落ちした大会で、伏兵が一躍ヒロインとなった。

「パイプの状態は悪かったけど、あれこれ考えず自分の滑りだけを考えた。自分の力を100%出せた。(優勝の喜びは)言葉にできない」

難しいコースだった。幅が通常より狭く設定され、左右の状態が微妙に違う。気温の上昇もあって雪面も軟らかくなり、スイス選手が2度も転倒する中、難度の高い「フリー720」などを次々と決めて、高得点をマーク。04−05年シーズンからW杯に参戦して、やっとつかんだ世界の頂点。この結果が、夢の五輪ロードへ導きそうだ。

27歳。苦労人だ。子供のころに家族とともにスキーを始め、スノーボードと出合ったのは18歳のとき。スキーと違う魅力に引き込まれて本格的に取り組むようになったが、周囲に指導者がいない環境。スポーツ店でアルバイトをして費用を工面し、アドバイザーを求めて岐阜から新潟まで通い、時間をかけてテクニックを身につけた。W杯で優勝するまで、9年の時間がたっていた。

女子HPの五輪代表の枠は、最大であと2つ。うれしい初優勝で、五輪代表入りが確実になった。「これからは技の回転数をもっと上げていきたい」。苦労しただけ、五輪への思いは熱い。遅咲きでもいい。夢舞台で大輪の花を咲かせてみせる。
(サンケイスポーツ)