トリノ五輪スノーボード女子ハーフパイプ代表に内定している成田夢露(17)が14日、都内で会見し、「今井メロ」での再出発を表明した。



7月中旬に父隆史氏(56)から独立していたが、戸籍上の親権者である実母に合わせて今日15日にも「今井」姓に改め、完全に決別する。

全日本スキー連盟(SAJ)の登録名はすでに「今井メロ」に変えた。用具契約も大手スキーメーカーのロシニョールに内定して五輪内定後の騒動も一段落し、心機一転、トリノで表彰台を目指す。

会見場に現れた夢露の表情は、決意に満ちていた。トリノ五輪を前にした人生の大きな変化を冷静に受け止めていた。

「夢くらぶへの感謝も(父隆史氏に)17年間育ててもらった恩も忘れていない。ただ、家庭内の事情のため離れることになりました。今後は自分1人でやります。でも、今後ともかかわりはあると思うし、後ろ足で砂をかけるような状況ではないです」。17歳らしからぬ言葉で、再出発を宣言した。

SAJの登録名は片仮名の「今井メロ」とし、国際スキー連盟の登録も変えた。所属先が変更可能になる10月1日には「チームメロ」を立ち上げる構想もある。

発端は「家族の問題」(佐々木峻スノーボード部長)だった。指導法の対立などから、7月18日に隆史氏のもとを離れた。だが、未成年の夢露は、親の承諾なしで海外遠征には行けない。1度はあきらめた時、91年に隆史氏と離婚した実母の今井多美江さんから電話があった。

「『私が親権を持っているので、私の許可で遠征に出られませんか』という話だった」(佐々木部長)。弁護士と相談の結果、今井姓への変更を決断した。8月26日に、大阪家裁から変更許可が出た。

名字は変わっても一緒にトリノ五輪を目指す兄童夢との絆(きずな)は変わらない。「兄には分からないことがあればすぐに来いと言われている。兄妹げんかもしながら支え合っていきたい」。5月に岐阜県郡上市から弟緑夢(ぐりむ)も含む3兄妹に委嘱された「夢親善大使」も、19年まで続く。

義務づけられている契約用具メーカーの申請をSAJにできず、五輪内定取り消し騒動の原因となった用具契約も「ロシニョール」に内定した。今月末には愛媛県で合宿に入る。「兄妹で支え合い、花を咲かせる演技ができたら。多少後悔はありますが、勝ちたい気持ちだけは忘れずに、新たな自分で頑張っていきたい」。17歳の少女はすべてを乗り越え、動き始めた。
(日刊スポーツ)